eineblumeのブログ

日々感じたことを記していきます

『あふれでたのはやさしさだった』

奈良の少年刑務所で絵本と詩の教室で教えた寮 美千子さんの本です。いくつか教える立場の者が忘れてはならないことが書いてありましたので、メモしておきます。

  • 子供にとって「安心・安全な場」を作る事:子供を信頼し、心に寄り添うことができると、子どもは自立心を持ち、意欲を出して、成績も上がっていくが、そのために大切な環境が、安心・安全な場であるという(p.99前後)
  • 条件付き自信と根源的自信:目標を達成して得られるものは『条件付き自信』であるが、これはとても脆くて、失敗するとすぐに崩れてしまうという。『根源的自信』とは自分が存在しているだけで肯定されていることを感じるような自信。これをもっていると、困難に遭遇してもくじけずに、失敗しても立ち直れるしぶとさを持つことができるという(p.178)
  • 絶対に否定しない:社会性涵養プログラムの詩の教室で大切にしていたことの一つは、「否定しない」だったという。弱音や本音を吐けること、吐ける場所がある事。それが人生を楽にする。その様な場所に教育の場はならなければならないのであろう(p.197)

書肆情報

  • title: あふれでたのはやさしさだった
  • subtitle: 奈良少年刑務所絵本と詩の教室
  • author: 寮 美千子
  • publisher: 西日本出版社
  • year: 2018
  • pages: 223
  • size: 18cm
  • isbn: 9784908443282