eineblumeのブログ

日々感じたことを記していきます

グラフを描くこと

高校3年生に数学を教えていて、グラフを描いてもらった時のことです。
y = 2x のグラフを描くために座標軸を最初に描きました。ところがその座標軸はx軸の方がy軸よりもかなり長くかかれていたのです。y = 2x が傾きが1より大きい(ということは、傾きが急な感じ)ということが頭の中に思い浮かべば、y軸をx軸よりも長くかいた方がいい(少なくともx軸は無駄になる部分が少なくなる)ということが分かるはずだと思うのですが、そうではなかったようでした。ただ、いつものようにx軸をy軸よりも長くかいたというのです。
一次関数の直線のグラフの形を瞬時に想像して、どのような座標平面を準備するのが適切か、考えていないというのは、ちょっとした驚きでした。なぜか、グラフを描くのに非常に長い時間がかかっていて、それにも驚きました。一次関数は直線のグラフであるということを覚えるのではなく、xに値をいくつか代入してみる。そしてグラフの形を想像する。値を取っていなかった部分はどういう形になるか検討する。そして、傾きをいくつか変えた関数のグラフを描いてみて、傾きとグラフの形について、関係を理解していく。という、地味な作業をしてこなかったようです。それよりも、学校から渡された問題集を解いていくのに時間がかかり、それだけで手いっぱいになっていたようでした。
数学は抽象的な学問だと言われているようです。確かに抽象的な部分はあります。しかし、関数のグラフを描くということに関しては、かなり具体的なものなのではないかと思います。関数のグラフの形が想像できた方が、いろいろな問題を考える時に助けになるはずです。
函数の極大値を求めるのに、関数を微分して、導関数の値が正、0、負と変化するところを探すのだと覚えても問題を解けるのでしょうが、それよりも、導関数の値が正、0、負のときはグラフはどのような状態になっているのかを理解し、グラフの形が頭の中で描けた方が、楽に考えられるだろうと思うし、何より、導関数の値の変化と極値の関係を「覚える」必要がなくなると思います。
一般的に言うと、数学で「覚える」というのは、あまり面白くないのではないでしょうか?